遊郭は苦界であり鳥かごであり、そこに暮らす遊女の多くは華やかな衣装を身に着けてはいても、病や情に怯えている。
完全に偏見ですが、遊女に関する話と言うのは、正直な所あまり明るい話が多くない気がします。
でも多分図鑑世界においてはそんなことは無く、きっと遊女と恋に落ちてもどうにかこうにか結ばれるのでしょう。
そんな事を考えながら書いたお話です。
図鑑と睨めっこしている最中に毛娼妓さんの妖しいジパング美人っぷりに色々と揺らいだりはしましたが、何とか書き上げられてよかったです。
以下、上中下になっちゃった理由とか。
そもそもこのお話の元になったもの自体は随分前に書いたのですが、「これ魔物娘要素薄すぎるな」と思ってゴミ箱行きを予定していました。
ですが、某心中物を読んでいる内に遊女のお話をどうしても書きたくなって「じゃあもうちょっと魔物娘要素を足して書き直そうか」となりました。
で、髪の描写を増やしつつ、濡れ場も無かったので足して、ついでに色々足していったらいつもよりちょっと長めになりました。
当初の予定ではかんざしを贈ることも無ければ、文鳥と鳩の話も無かったのです。
また、その過程で主人公の男の職業が問屋から鳥屋になったりしました。遊郭を鳥かごとするなら何かと便利かと思いまして。
ヨシノの設定に関しても、最初は「身を売らない修行の芸子だったのが、男を誘惑するために遊女を演じた」というものでしたが、妖怪らしくどこからともなく湧いてもらいました。図鑑の妖怪の方々は普通に子を作って血を継ぐのが基本だとは思いますが。
同じジパングのお話である『蜜柑と梅雨』と比べると、遊女と言う設定上台詞を多めにできたのがとてもありがたかったです。おうめが特別口数少なかったというのもあるとは思います。
書き直した際、冗長だと思い遊女周りの説明をだいぶ省いたため、見初めた相手に髪を送るとか身請けするとかの説明も無くなったので分かりづらい箇所がだいぶ多いかもしれません。私自身もそこまで遊郭に詳しくないために専門的な内容は殆ど無いので問題無いかもしれません。むしろ間違っている箇所があるかもしれません。ごめんなさい。
書き始める発端こそ心中物でしたが、当然の事ながら、誰か他の男に身請けされたり金が無かったりというのは無しで、普通に二人には結ばれてもらいました。
資金調達やらヨシノが鳥屋に慣れるまでとか割愛しましたが、きっとそれなりにすったもんだがあったと思います。
ヤナギは結局何で何処に行ったのなどはまたいずれ。
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- 2016/08/26(金) 23:25:30|
- 図鑑SS
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